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2022年8月23日 / 性能

2020年に義務化された省エネ基準を解説|家の性能を表すUA値とは?

新築住宅に対する省エネ基準が改正されました。

「省エネ基準を満たした家とは、どのような家か」

「どうすれば省エネ住宅が建てられるのか」といった点が気になる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、新省エネ基準やUA値、省エネ住宅を建てるコツなどを解説します。理想の省エネ住宅を建てるヒントにしてください。

 

目次

1.省エネ基準とは

2. 住宅の省エネが注目される理由

3. 省エネ基準のUA値とは

4. 高断熱といえるUA値の目安

5. UA値が小さい省エネ住宅に必要な要素

6. 省エネ住宅のメリット

7. 他にもある住宅の省エネ指標

8. 省エネ住宅を対象とした補助金制度

9. 中国地方・山口県で省エネ住宅を建てるならタナカホームズ

10. まとめ

 

 

 

1.省エネ基準とは

省エネ基準とは、法律で定められている建築物の性能基準の1つです。

建物を「消費するエネルギー量」に基づいて評価する基準を指します。

日本の省エネ基準の変遷や欧米の省エネ基準との比較を解説します。

 

日本の省エネ基準遍歴

省エネ基準は1980年の「旧省エネルギー基準」制定以降、1992年・1999年・2013年と時代に合わせて基準が強化・新設されてきました。

しかし2013年の改正でも、300㎡未満の住宅での省エネ基準達成は努力義務とされたため、省エネ性能の高い住宅が浸透しきらなかったという問題があります。

最新の2020年改正では住宅の省エネ問題を解決するため、努力目標だった基準が義務化されました。

 

欧米の省エネ住宅基準

日本の住宅性能がエネルギーの節約量を基準とするのに対し、欧米の住宅は「居住者の健康」を重視した基準を使用しています。

欧米には「暖かい家は“人権”である」という思想があり、法令で冬の室内最低気温を定めています。

 

 

2.住宅の省エネが注目される理由

住宅の省エネが注目されるのはなぜでしょうか。

世界的な脱炭素の動きや資源の有効活用の点から、理由を解説します。

 

世界的に進む脱炭素の動き

住宅の省エネ化には、世界的に進む脱炭素の動き、また日本政府が2020年10月に出した「2050年カーボンニュートラル宣言」の影響があります。

住宅も多くの二酸化炭素を排出しているため、省エネ化推進が急務となりました。

 

限りある資源の有効活用

住宅で利用する電気やガスを生み出す燃料は、有限です。

限りある資源を大切に使うには、省エネ技術が欠かせません。

また資源の過剰利用は地球温暖化につながり、自然災害を増大させます。

安全に暮らすためにも省エネが重要です。

 

 

3.省エネ基準のUA値とは

2020年に義務化された新しい省エネ基準には「UA値」という値が用いられています。

UA値のとはどのように住宅性能を表すのか、また似た指標であるQ値やC値についても、詳しく解説します。

 

UA値とは

UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅の内外で熱量が移動する程度を表します。

UA値が小さいほど熱量の移動が少ない、つまり冬は室内の熱が逃げにくく、夏は外気の熱を伝えにくいことを示します。

「UA値が小さいほど、断熱性能は高い」と理解しましょう。

UA値は、「各部の熱損失量の合計/延べ外皮面積」で計算できます。

外皮とは屋根や壁、窓など、住宅の内外を仕切る部分をいい、外皮性能が高いほど暑さ寒さを防ぐ性能が高くなります。

 

Q値とは

Q値(熱損失係数)とは1999年の省エネ基準で使われていた断熱指標で、熱の逃げにくさを表します。

数値が小さいほど、断熱性能が高くなります。 計算式は「(各部の熱損失量の合計+換気による熱損失量の合計)/延べ床面積」です。

延べ床面積を考慮するため、住宅の構造や形状によって数値があいまいになる点がデメリットでした。

現在の省エネ基準では、より性能を正確に計算できるUA値を採用し、Q値は使われていません。

 

C値とは

C値(相当すき間面積)とは、住宅全体に隙間がどのくらいあるかを表す指標です。

隙間が少ないほど熱の出入りが減るため、C値も小さいほど断熱性能が高いといえます。

C値は「住宅全体の隙間の合計面積/延べ床面積」で計算します。

省エネ基準の改正前は、一般的な高断熱住宅のC値はC値≦5.0㎠/㎡(東京、名古屋、大阪など)とされていました。

省エネ基準の改正にともない、現在は基準値が設定されていません。

 

 

4.高断熱といえるUA値の目安

高断熱住宅の定義は明確に定められていませんが、新省エネ基準では地域区分ごとのUA値基準値を定めています。

UA値を指標にすると、一定水準の高断熱住宅が建築できます。

地域区分 1 2 3 4 5 6 7 8

UA値 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87 -

参考:住宅における外皮性能 | 国土交通省

 

UA値が下がると電気代の節約になる

UA値の小さな住宅は断熱性能が高く冷暖房効率がよいため、電気代が節約できます。

UA値の違いによる年間電気代の差額は年間数千円~数万円に上る、というシミュレーション結果もあるほどです。

UA値は0.05違うだけで電気代に影響します。住宅のランニングコストを抑えたい場合は、UA値に注目してみてください。

 

 

5.UA値が小さい省エネ住宅に必要な要素

UA値が小さな省エネ住宅には、断熱性能の高い断熱材や窓が必要です。

それぞれを詳しく解説します。

 

断熱材の素材

断熱材は素材によって熱伝導率が変わります。

高断熱住宅には、熱伝導率の低い素材が必要です。

一般的には安価で燃えにくいグラスウールが使われますが、熱の伝えにくさを重視するなら、硬質ウレタンフォームやフェノールフォームという素材もあります。

ただし価格も上がるため、予算と照らし合わせて検討しましょう。

 

断熱材の厚み

住宅に最低限必要な断熱材の厚みは、次の計算式で求められます。

必要な断熱材の厚み(mm) = 基準となる熱抵抗値 × 断熱材の熱伝導率 × 1000 熱抵抗値は省エネ基準の地域区分ごとに決まっており、熱伝導率は断熱材の素材によって変わります。最低限必要な厚み以上の断熱材を使うと、断熱性能を高められます。

 

機密性の高い窓

窓も熱移動の大きな部分です。最低限、アルミサッシ・ペアガラスは採用し、断熱性能を高めましょう。

さらに窓枠部分が樹脂でできた高性能樹脂サッシなら、より熱伝導率を抑えられます。

樹脂サッシの熱伝導率は、アルミサッシの1/1000程度といわれています。

二重サッシも断熱性を高める方法の1つです。

 

 

6.省エネ住宅のメリット

省エネ住宅にすると、暖かく快適な暮らしや光熱費の節約などが手に入ります。

省エネ住宅のメリットを3つ解説します。

 

暖かく快適に暮らせる

省エネ住宅はさまざまな工夫で室内外の熱移動を抑え、室温を一定に保ってくれます。

冬は暖気を逃がさず暖かく、夏は外気を入れず涼しく暮らせる点が最大のメリットです。

部屋ごとの温度差も少ないため、ヒートショックの危険も抑えられます。

 

光熱費が抑えられる

省エネ住宅の室内は外気の影響を受けにくく、室温維持効果があります。

冷暖房を使う頻度が減ったり、効率的に冷暖房ができたりする結果、光熱費の節約につながります。太陽光パネルを設置すれば、さらに電気代を抑えられます。

 

結露やカビが防げる

結露やカビは住宅の表面温度が低下し、水分が付着して起こります。

省エネ住宅は住宅の表面温度が高く保たれるため、住宅表面へ水分が付きにくく、結露やカビを防ぐ効果が期待できます。

アレルギーや喘息がある人にもおすすめです。

 

 

7.他にもある住宅の省エネ指標

住宅の省エネ性能を表す指標には、「HEAT20」「ZEH」もあります。

それぞれを詳しく解説します。

 

HEAT20

HEAT20とは室内の温度環境と住む人の健康を重視した指標です。

住宅性能をG1~G3の3グレードに分け、それぞれの冬期間の最低体感温度を定めています。

もっとも低いG1でも、冬場の室内における体感温度が、北海道でも13℃を下回らないよう求めるなど、高い基準が特徴です。

新省エネ基準より省エネ性能が高い住宅が建てられます。

 

ZEH

ZEHとは「ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。

高い断熱性能と太陽光パネルなどの再生可能エネルギー設備の設置により、住宅運用の年間一次エネルギー消費量が実質ゼロになることを目指した住宅をいいます。

ZEHは新省エネ基準より高いUA値基準を持ち、2030年には新築住宅の半分をZEH住宅ににする計画も掲げられています。

 

 

8.省エネ住宅を対象とした補助金制度

省エネ住宅の建築で利用できる補助金も、さまざまあります。

これから家を建てる人が知っておくべき3つの制度を解説します。

 

ZEH+(ゼッチプラス)実証事業

ZEH住宅の新築、あるいは建売住宅の購入で受けられる補助金制度です。

補助金額は1戸あたり55万円~112万円で、蓄電システムや太陽熱利用温水システムの導入には、追加補助が受けられる場合もあります。

一次エネルギー消費量削減度合や省エネシステムなど、条件を満たす程度によって補助金額が変動します。

 

こどもみらい住宅支援事業

延べ床面積50㎡以上、かつ一定の省エネ性能を持つ住宅を新たに取得する子育て世帯・若者世帯が受けられる補助金制度です。

子どもや世帯主の年齢によって申請可否が決まります。

補助金額は1戸当たり60万円~100万円で、省エネ性能が高まるほど補助金額も上がります。

2023年までの期間限定である点に注意しましょう。

 

地域型住宅グリーン化事業

省エネ性能を持つ住宅、かつ地域の木材を積極的に活用した住宅を取得する場合に申請できる補助金制度です。

補助金額は1戸当たり90万円~140万円で、取得する住宅の省エネ性能によって異なります。

3世代同居や若者・子育て世帯、バリアフリー住宅の場合は、補助金加算が受けられるケースもあります。

 

 

9.中国地方・山口県で省エネ住宅を建てるならタナカホームズ

新築住宅に求められる省エネ性能が高まっています。

中国地方や山口県でこれから家を建てる方は、ぜひタナカホームズをご検討ください。

タナカホームズは、高い品質とお手頃価格を両立させたオリジナル設計が得意な工務店です。

省エネ性能だけでなく、遮熱性能や耐震性も兼ね備えたツーバイシックス工法で高性能住宅を建築します。

省エネ基準適合の断熱材、吹付断熱アクアフォームを採用し、ZEH基準にも適合する断熱性能を実現します。

 

 

10.まとめ

新省エネ基準におけるUA値とは、住宅からの熱の逃げ具合を示す指標です。

省エネ住宅の実現には、UA値をできるだけ抑えた設計が欠かせません。

また新省エネ基準では、従来努力目標であった省エネ基準が義務化されました。

これから家を建てるなら、2020年省エネ基準をクリアすることは必須です。

タナカホームズなら、中国地方や山口県の風土にぴったりの高性能住宅がお手頃に建てられます。

まずは会員登録し、お得な情報を集めましょう。

 

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会社名:田中建設株式会社

部署名:経営企画部

執筆者名:大勢待 昌也

執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー 

執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi