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2022年10月30日 / 性能
ZEH(ゼッチ)住宅は必要ない?後悔しないためのデメリットと対策を解説
ZEH住宅は、年間で消費する一次エネルギー量の収支がゼロ以下になることを目指す住まいです。多くのメリットを得られる一方、デメリットもあるため、「必要ないのでは?」と迷ってしまう人も多いかもしれません。この記事では、現在のZEH住宅を取り巻く実情や将来的な展望を紹介し、必要か否かを解説します。
目次
1.ZEH住宅とは
まずは、ZEH住宅の基礎知識を紹介します。目指すところや誕生の背景を知れば、求められる理由を理解しやすくなります。
ZEH住宅の基本
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の頭文字を取った言葉です。
通称で、ZEH(ゼッチ)と呼ばれています。
断熱性能を高めて冷暖房の使用量を抑え、高効率な設備を導入して省エネと創エネを図ることによって、年間の一次エネルギー消費量をゼロ以下にすることを目指す住宅です。
ZEHができた理由
ZEH住宅は、SDGsや低炭素化・カーボンニュートラルといった、地球環境への負荷を抑えるための取り組みの1つとして誕生しました。
暮らしを支える住宅分野で、エネルギー効率のよい家を増やすことは、環境負荷低減に貢献します。
大地震なども経験し、省エネの大切さを痛感している日本政府は、省エネで災害にも対応可能な住まいとしてZEH住宅を推奨しています。
2.ZEHの義務化が進められている
政府は、ZEHの義務化に向けて法整備を進めています。
ここでは、義務化に向けての流れや時期を解説します。
現在は省エネ基準が強化されている
エネルギー消費量は、2011年までの20年間で約25%も増加しています。このような状態の改善に向けて、省エネ基準の段階的な強化が行われています。
2022年4月には断熱等性能等級5が、10月には6と7が新設されました。
2025年以降には、これまで最高とされてきた等級4は最低等級となってしまいます。
将来はZEHが標準住宅となる
2025年以降には、「全新築建物に省エネ基準への適合を義務付ける」と発表されています。
政府が目標に掲げる「2030年までに新築住宅全体の平均でZEHを実現すること」をクリアするための動きです。
今後も省エネ基準の強化が推し進められ、将来的にはZEH住宅が標準住宅になることは予想に難くありません。
3.ZEH住宅のデメリット
ZEH住宅には、デメリットも存在します。
必要性を正しく判断するためにも、しっかりと把握しておきましょう。
建築コストが高い
ZEH住宅は、一般住宅よりも建築費用が100~300万ほど高くなるといわれています。
断熱などのZEH基準をクリアするためには、住宅や設備の性能を高める必要があるためです。
ZEH住宅には必須とされる太陽光発電システム1つをとっても高額です。
設備やプランのグレードが上がるほど、建築コストも上昇してしまうでしょう。
メンテナンスコストの負担がかかる
導入した省エネ機器を長く使うためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
その都度、費用も発生するうえ、性能が高い分、費用も高額になる傾向にあります。
精密機器ということもあり、将来的には経年劣化による故障や交換も発生するでしょう。
メーカーの保証期間が過ぎての修理や交換となると、多額の費用がかかるおそれもあります。
売電価格が下降傾向にある
太陽光発電で余った電力は、電力会社に売電可能です。
10年間は、売電開始年度の価格で買い取ってもらえます。
ただし、売電価格は2021年度は19円、2022年度は17円と、近年は下降傾向にあります。
今後も上昇する可能性は低いと予想されているため、以前のように売電によって収益を得ることは難しくなるかもしれません。
参考:買取価格・期間等|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー
間取りの制限がある
ZEHで求められる断熱性を維持するために、間取りに制限がでることがあります。
熱の出入りを抑えるためには、開口部を調整する必要があるためです。
特に、窓に関しては、小さくしなければならなかったり、希望の位置や大きさ、数が確保できなかったりするケースも少なくありません。
採光や屋内の解放感に影響するおそれもあります。
4.ZEH住宅は必要ない?
デメリットもあるとはいえ、やはりZEH住宅は必要な存在です。
その理由を、メリットを紹介しながら解説します。
資産価値に期待できる
ZEH導入の有無は、将来の家の資産価値に関わる事柄です。
これまでの戸建て住宅の査定では、「築年数が古いものほど価値は低い」とされてきました。
しかし、 国は現在、築年数ではなく住宅の質の高さによる評価へと改定を進めています。
BELS(住宅性能評価・表示協会の認証制度)で高評価を得られるZEH住宅は、売却時にも高く評価されるでしょう。
補助金を利用できる
国は、ZEH住宅の普及を推進するための補助金事業を用意しています。
補助金額は、ZEH支援事業で55万円、ZEH+支援事業では100万円です。
蓄電池を導入した場合には、2万円/kWh (上限20万円かつ補助対象経費の1/3)が追加されます。
初期費用がかかるZEH住宅において、補助金制度は心強い存在です。
光熱費を削減できる
高断熱で省エネなZEH住宅は、一般住宅よりもエネルギーを必要としません。
さらに、創エネによってエネルギーをまかなえるうえ、余剰電力も売電可能です。
光熱費を大幅に減らせるでしょう。
消費エネルギーの削減は、地球環境の改善にもつながります。
ZEH住宅は、お財布にも地球環境にも優しい家だといえます。
災害に強い
災害による停電時でも、太陽光発電や蓄電池を活用して非常電力をまかなえるのも大きな魅力です。
万が一災害に巻き込まれたとしても、いつも通りの生活を送れます。
電気自動車の充電もできるため、自宅が使えない場合の生活拠点も確保可能です。
ZEH住宅は、自然災害の多い日本と非常に相性がよい家だといえるでしょう。
健康によい
高断熱のZEH住宅は、室温を一定に保ちやすい家です。
温度変化による身体への負担も少なく、結露の発生も抑制できることから、健康の維持・改善にもつながるといわれています。
近年では、身体の冷えやカビなどを原因とする気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎、関節炎など15もの諸症状について、健康改善が見られることがあると報告されています。
5.後悔しないZEH住宅の建て方
ここでは、ZEH住宅で見落としがちな点を紹介します。
注意すべきことさえおさえれば、後悔のないZEH住宅が建てられます。
気密性能にも着目する
ZEHでは、断熱性についての基準はありますが、気密性に関する基準は定められていません。
しかし、断熱性と気密性は相関関係にあります。
併せて備わっていなければ、ZEH基準を満たしていても、省エネにならない可能性があります。
光熱費ゼロ住宅にはならないことを理解する
ZEH住宅は、「年間のエネルギー消費量がゼロ以下となること」を目指す家です。
「光熱費がゼロになる住宅」ではありません。
太陽光発電は、日射量の影響を強く受けるものです。
夜間や雨天では発電できないため、その間に使う電力は、電力会社から購入します。
創エネは、「日中の電力を発電によって実質的に帳消しにしている」と捉えてください。
適正なコストバランスをとる
住宅や設備の性能を追求すると、コストも跳ね上がります。
「コスト上昇に見合った体感差が得られるか?」という点は、冷静に判断する必要があるでしょう。
節約効果や費用対効果を計算・シミュレーションし、バランスをみながら検討してください。
6.中国地方・山口県のZEH住宅情報
中国地方・山口県でZEH住宅を建てるなら、ぜひ、タナカホームズにお任せください。
ローコスト企画住宅でもZEH基準をクリアする家を提供可能です。
展開するプレミアムスタイル、オリジナルスタイルでは、ZEH基準の断熱性能が標準仕様で、なかでも、プレミアムスタイルは、ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2021で優秀賞を獲得しています。
7.まとめ
ZEH住宅は、年間のデメリットもあるため、「必要でない」という人もいるでしょう。
しかし、昨今世界的に進められている地球環境への負荷を抑えるための取り組みのひとつとして、非常に有効な手段です。
省エネで災害対応が可能なことからも、日本政府も積極的に推進しています。
中国地方・山口県でZEH住宅を検討中なら、ローコストなのに高品質高性能な家づくりにこだわるタナカホームズにご相談ください。
お財布にも環境にも優しいマイホイホームをお好みのスタイルで実現可能です。タナカホームズの住宅展示場にて、ぜひご確認ください。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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