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2022年11月26日 / 家づくり
今注目の団地リノベーション!分譲公団住宅を賢く使うためのヒント
公団住宅とは、日本住宅公団が供給した集合住宅のことで、主に中堅から高所得者層に向けた団地を指しています。
暮らし方の価値観が多様化する今、分譲団地のリノベーション・再生に注目する人も増えてきました。
今回は、団地のメリット・デメリットから相続についてまで、詳しく解説します。
目次
1.公団住宅とは
まずは、公団住宅の概要を解説します。
混同されがちな公社団地・公営団地との違いも理解しておきましょう。
公団住宅のルーツ
関東大震災後、日本住宅公団によって耐震・耐火性の高い集合住宅が供給されました。
ガスや水道、水洗トイレなどの快適に暮らせる設備の採用だけでなく、DK(ダイニングキッチン)やLDK(リビングダイニングキッチン)といった新しい様式を提案したのも公団住宅です。
当時の家賃は高めで、比較的裕福な人を対象とした住宅でした。
公社団地とは
日本住宅公団は、昭和30年の設立から昭和56年の解散まで、住宅の建設や賃貸などを行っていました。
現在は、都市再生機構(UR)に事業を継承していますが、分譲住宅の供給は平成11年に停止しています。
URが運営する公団住宅とよく混同されるのが、地方住宅供給公社運営の公社団地です。
運営母体は違いますが、公団住宅同様、中堅から高所得者層に向けた公的賃貸住宅です。
公営団地とは
公営団地は、都道府県・市町村が低所得者のために賃貸している住まいです。
住宅に困窮する低所得者や子育て世帯、高齢者などのセーフティ・ネットとしての役割も担っています。
賃料は団地の中でも最も安い代わりに、部屋面積は狭く、立地条件もあまりよくありません。
2.分譲公団住宅のメリット
現在「中古住宅」として販売されている団地は、かつて分譲されていた公団住宅です。
その魅力を紹介します。
物件価格がリーズナブル
公団住宅は、同エリア・同等築年数の中古マンションなどに比べ、分譲価格がリーズナブルです。
物件の購入価格が抑えられるため、リノベーションに費用を回せます。
自分の思い通りのアレンジが楽しみやすいでしょう。
住環境がよい
公団住宅は、広い敷地にゆったりと建てられていることが多く、圧迫感がありません。
棟と棟との間が公園や庭になっていることも多くあります。
団地の周りには、商店街やスーパー、病院なども充実しています。
管理体制が整っている
URが運営しているため、管理も行き届いています。
建物や敷地内は業者によって整備され、常時、緑や花であふれる豊かな空間を楽しめます。
古い建物でも、民間に比べて耐震診断・改修が進んでいることがほとんどです。
アクセスがよい
交通アクセスは、利用者数が見込めるところほど整備が進みます。
団地には多くの人が住んでいるため、近くに駅があったり、複数のバス路線が乗り入れていたりします。保育園や小学校も、徒歩圏内にあるでしょう。
3.分譲公団住宅のデメリット
分譲公団住宅には、いくつかのデメリットもあります。
しっかりと理解したうえで、購入を検討しましょう。
築年数の古い物件が多い
現在流通している分譲公団住宅の大半は、古い物件です。
水道管など設備面や、音漏れなどのトラブルが起こりやすいでしょう。
また、昭和40年頃までに建設された団地では、5階建てでもエレベーターがないおそれもあります。
マンションとサイズ感が異なる
団地では、「団地間」と呼ばれる通常よりも小さな畳が使われていることがあります。
マンションとはサイズ感が異なる可能性もあるのです。
また、小型エレベーターしかなければ、大きい荷物の搬入も困難かもしれません。
自治会・近所付き合いが必要になる
団地には、自治会・自治体が設置されていることも多いようです。
自治会によって細かいルールが定められていることも想定されます。
煩わしいと感じるかもしれませんが、不測の事態に助け合えるコミュニティが形成されていると捉えることもできます。
室内工事に制限がある
多くの団地は、コンクリート壁構造です。
堅牢な部屋が安価で手に入るのはうれしい反面、どうしても壊せない壁があれば、室内工事に制限が生じます。
給湯器やエアコンを取り付ける際には、配管スペースや天井高などにも注意が必要です。
4.団地再生が注目を集めている
今、団地の価値を見直して再生する動きが広まっています。
ここでは、団地再生の取り組みを解説します。
団地の「新しい価値づくり」
団地は今、地域のコアエリアとして注目され始めています。
公園があり、周辺施設の充実によって生活利便性の高い環境は、子育て世代にとってもメリットが多いはずです。
若い世代に住んでもらうための取り組みも進んでいます。
そのひとつが、リノベーション・DIYです。
分譲団地の「団地リノベーション」
3DKから2LDKにするなど、古い団地を時代に合った間取りに変更したり、最新の設備に置き換えたりと、よい住環境は残しつつ、入居者個々の生活満足度を高められるのが団地リノベーションです。
耐震工事やエレベーターの設置など、建物全体のリノベーションを実施して若い世代を誘致する団地も増えています。
賃貸団地の「DIY住宅」
賃貸団地の一部でも、入居者による自由な模様替えや一定のリフォームを認める「DIY住宅」が登場しています。
通常の賃貸住宅で求められる原状回復義務が免除されるのが特長で、なかには、工事期間の賃料が無料になるところもあります。
5.分譲団地リノベーションの要点
分譲団地のリノベーションを実施する際には、どのような点をおさえておけばよいのでしょうか。3つの要点について解説します。
工期と費用
工期の目安は、1~5か月です。
費用は、フルリノベーションであれば600〜1800万円ほどかかるでしょう。
基礎部分の修復が必要であったり、設備にこだわりすぎたりすると、金額も高くなってしまいます。
優先順位
古い建物を改修する団地リノベーションでは、最優先すべき事項があります。水回りの設備チェックです。
水回りを整備したうえで、防音性や断熱性などの性能や、和室から洋室への変更といった暮らし心地を高める工事へ進みましょう。
間取り
昭和中期に多く採用されていたのは、狭くて部屋数が多い間取りです。
核家族化が進む現代では、部屋を減らして広い間取りへとリノベーションする人が増えています。
撤去できないコンクリート壁があれば実現できないため、購入前のチェックは必須です。
6.公団住宅を相続したときに知っておきたいこと
親や親戚などから、公団住宅を相続するケースもあるでしょう。
その際に知っておくとよいことを解説します。
相続にかかる税金
不動産の相続で生じる税金は、2種類あります。
このうち、必ず支払うのは、登録免許税です。
不動産を相続したら名義を変更(相続登記)しなければなりませんが、その際に「固定資産税評価額 × 0.4%」が課税されます。 もう1つは相続税です。
こちらは、必ず発生するものではありません。相続財産の合計額が基礎控除額(3000万円+(600万円×法定相続人の数))を超える場合にのみ支払います。
相続後の方向性
不動産相続後の方向性は、主に3つあります。
最もシンプルなのは、そのまま自分が住む方法で、費用をかけずに住まいが手に入ります。
住まない場合には、売却や賃貸で収益化しましょう。購入・入居希望者を集めるには、リフォームを実施してから売ったり貸したりするのがおすすめです。
7.公団住宅相続後に起こる注意点
相続しても住まず、売却も賃貸もしない場合は、空き家になります。
空き家のままで置いておくのは、あまりおすすめできません。
維持コストがかかる
不動産は、「所有しているだけ」でも維持コストがかかります。
月ごとでは管理費や修繕積立金、年単位では固定資産税や火災保険料などの支払いが発生するうえ、水道や電気を維持していれば、使わなくても基本料金がかかります。
空き家による劣化に注意する
住宅は、定期的に手入れをしないと想像以上のスピードで劣化するといわれています。
自分で管理できないときには空き家管理を請け負う業者に委託する手もありますが、費用や連絡を取る手間が生じます。
8.公団住宅の売却で直面する問題
公団住宅を売却しようと思ったら、いくつかの問題に直面するでしょう。
どのようなことが想定されるのでしょうか。
団地の売却は困難
土地の所有がない団地は、敷地所有権つき物件より売却価格が安くなる可能性が高いでしょう。
多くの団地は築年数も古いため、売却自体も困難だと予想されます。
状態次第では、購入者からリフォームや修繕が求められることもあります。
仲介売却と買取の選択が必要
不動産の売却方法には、不動産会社に買主を探してもらう仲介と、不動産会社が買主となって直接買い取ってもらう買取があります。
仲介は、相場価格で売却できる可能性がありますが、売れるまでに時間がかかりがちです。
また、販売活動も必要でしょう。
買取は、確実に、迅速に現金化できる一方、売却価格が相場より低くなりやすいのがネックです。
公団住宅売却の税金が必要
団地を売却した金額が、「不動産取得額+売却にかかった経費(譲渡費用)」を上回れば、「利益(譲渡所得)が出た」ということで所得税の課税対象になります。
反対にマイナスになってしまうなら、確定申告は不要です。
9.まとめ
一般的に団地と呼ばれているのは、日本住宅公団(現UR)が供給した公団住宅のことです。
安く手に入って思い通りにリノベーションできたり、地域再生の拠点となる可能性を秘めていたりすることから、近年、分譲公団住宅再生に注目が集まっています。
残念ながら、山口県では、優良な分譲公団住宅が見つけにくいのが実情です。
低価格でハイクオリティな住まいをお探しなら、ローコスト企画住宅も選択肢に加えるのがおすすめです。
ぜひ一度、タナカホームズの住宅展示場にて、ローコストなのに高品質高性能な家を実際にご確認ください。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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