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2025年2月12日 / 家づくり
戸建て住宅の建て替えにかかる費用とは?|各費用の相場や安く抑える方法も解説

建て替えとは、既存の建物を解体し、その場所に新しい家を建てることです。
古くなった家を建て替えたいけれど、いったいいくらかかるのだろう。
解体費用に建築費用、さらには仮住まいの費用まで…考えるべき支出が多すぎて、予算が立てられない方も多いのではないでしょうか。
本記事では国土交通省の最新データを参考に、
• 建て替えにかかる費用の相場
• 広さ別のシミュレーション
• 建て替え費用を抑えるコツ
まで詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。
目次
1.家を壊して建て替える費用の全国平均は5700万円
国土交通省のデータによると令和5年度における建て替え費用の全国平均は5,745万円でした。
この金額は土地購入費を含んだ新築一戸建ての建築費用である4,903万円よりも高額です。
背景には、解体費用の上乗せに加え、近年の物価高騰や人件費の上昇があり、今後もさらなる費用増加が予想されます。
建て替えを検討する際は、このような市場動向も考慮に入れた予算計画が重要です。
2.家を壊して建て替えるのに必要な費用|工事費用
建て替え工事では、解体から新築までさまざまな費用が発生します。
工事費用は大きく「解体工事費用」と「本体工事費用」に分かれ、それぞれの内容や相場を把握することが重要となります。
適切な予算配分のため、各工事の具体的な内容について見ていきましょう。
解体工事費用
解体工事では、既存住宅の取り壊しと廃棄物の処理が必要となります。
1坪あたりの費用の目安は、下記のように建物の構造によって異なります。
• 木造:2~6万円
• 鉄骨造:3~6万円
• 鉄筋コンクリート造:4~7万円
ただし、アスベストの有無や建物の立地条件によって費用は変動する場合もあり、事前の調査が欠かせません。
本体工事費用
本体工事費用は建て替え総額の約7割を占める重要な部分です。
仮設工事から基礎工事、木工事、外装・内装工事まで、多岐にわたる作業が含まれます。
とくに重要なのは基礎工事と構造躯体工事で、建物の安全性に直結するため、適切な予算配分が求められます。
その他、電気・水道などの設備工事も必要です。

本体工事費の内訳と概要
新築一戸建ての費用についてもっと詳しく知りたい方は以下のコラムもあわせてチェックしてみてください。
【あわせて読みたい】 新築一戸建ての費用はどのくらい?内訳や予算別の家の特徴について解説
3.家を壊して建て替えるのに必要な費用|その他の諸費用
戸建て住宅を建て替える際には、ほかにも諸費用が発生します。ここでは、具体的にどのような諸費用がかかるか解説します。
登記費用
古い住宅を解体した場合は、解体工事の後に建物滅失登記申請書を提出する必要があります。
土地家屋調査士に申請書の提出を代行してもらうのが一般的です。
その場合の費用の目安は、5万円程度です。
仮住まいでの生活費
それまで住んでいた住宅を壊して新しい住宅を建てるなら、仮住まいでの生活費がかかります。
また、住宅を賃貸する場合は、毎月の家賃が必要です。契約時には敷金や礼金が必要になる可能性もあります。
引越し費用
戸建て住宅の建て替えをするときは、古い住宅から仮住まいへの引越しと、仮住まいから新居への引越しが必要です。そのため、2回分の引越し費用がかかります。
引越し費用の相場は10万円程度ですが、荷物の量や距離によっても料金は変化します。
4.【広さ別】家の建て替え費用のシミュレーション
実際の建て替え費用は、建物の広さによって大きく変動します。
一般的な木造住宅を例に、具体的な費用をシミュレーションしてみましょう。
現在の相場では、解体費用が1坪あたり6万円、新築費用が1坪あたり100万円となっています。
これをもとに、代表的な住宅サイズでの総費用を計算すると、建物の規模による費用の違いがみえてきます。
30坪の家を壊して建て替える場合の費用
30坪の住宅を建て替える場合、解体費用は180万円(30坪×6万円)、新築費用は3,000万円(30坪×100万円)となり、総額で3,180万円の費用が必要です。
この規模は、3~4人家族が快適に暮らせる一般的な広さです。
建物の構造や仕様にもよりますが、一般的な建て替え予算の目安として参考になります。
50坪の家を壊して建て替える場合の費用
50坪規模の建て替えでは、解体費用300万円(50坪×6万円)、新築費用5,000万円(50坪×100万円)で、合計5,300万円の費用がかかります。
この広さは、二世帯住宅や余裕のある居住空間を求める場合に選ばれます。
このように、広さによって費用は大きく異なるため、家族構成や生活スタイルに合わせた適切な規模の検討が重要です。
なお、これらの金額はあくまで目安であり、地域や建材の選択、設備の仕様などによって変動することをご理解ください。
5.家を壊して建て替える際の流れ
家を建て替えるは、どのような流れで進めるのでしょうか。
ここでは、戸建て住宅の建て替えの流れを解説します。
①建築会社を決める
戸建て住宅の建て替えを決めたら、建築会社に相談しましょう。
建築会社を決める際は予算はもちろんですが、以下の点に注意しましょう。
• 自分のイメージをしっかり具現化してくれるか
• スタッフとの相性は良いか
• アフターサービスの内容は問題ないか
建て替えをされる方の多くは、その家を終の棲家として考えられている方が多いことでしょう。
そのため、家を建て替えて良かったと感じていただくことがとても大切なことだと思います。
あなたが抱えている悩みにしっかり寄り添い、いろんな相談に乗ってくれるスタッフと出会うことが大切です。
また家のトラブルがあった際に、適切に対応をしてもらえるよう、アフターサービスが整っている建築会社を選ぶのをおすすめします。
②ローンの申込みをする
金融機関に建築プランや見積書を提出し、ローンの申込みを行います。
まずは事前審査が行われ、事前審査に通過すると本審査が行われます。
本審査にも通過すれば、無事に融資を受けることが可能です。
③解体業者を決める
古い住宅を取り壊すため、解体業者も選定しましょう。
複数の業者から見積りを取り、費用や提案内容を比較します。
なお、建築会社が解体業者の手配にも対応してくれるケースがあります。
➃仮住まいに移る
解体工事の開始前に仮住まいへ引っ越す必要があります。
仮住まいはなるべく早めに探しておき、スムーズに移動できるようにしましょう。
仮住まいで使用しない物や運びきれない大きな家具は、トランクルームに保管する方法もあります。
⑤地盤調査
地盤調査は解体工事の前に行います。
地盤調査で地盤が弱いと判明した場合は、あわせて地盤改良工事も行わなければなりません。
地盤調査や地盤改良工事の流れについても、あらかじめよく確認しておきましょう。
⑥解体工事
準備が整ったら、解体工事が開始されます。
人の力だけでなく、重機も使用して解体作業を進めます。
基礎部分まですべて撤去したら、整地まで行って解体工事は終了です。
解体工事では騒音やほこりも出るため、事前に近隣へ挨拶しておく必要があります。
⑦着工・引き渡し
体工事後の更地の状態で地鎮祭を実施しましょう。
その後、建築工事を開始し、新しい住宅を建てていきます。
住宅が完成すると検査が行われ、すべてに問題がないと判断されると鍵を引き渡されます。
6.家の建て替え費用を抑えるコツ
戸建て住宅の建て替えにかかる費用を抑えるには、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、具体的に解説します。
複数の業者から見積りを取り寄せる
戸建て住宅の建て替えを検討するときは、必ず複数の業者から見積りを取りましょう。
業者によっても、かかる費用の目安は異なるためです。
他社の金額が安い場合、ほかの業者に対して値下げ交渉ができる可能性もあります。
また、単に価格をチェックするだけでなく、価格と品質が釣り合っているかどうかも見極める必要があります。
引越しの閑散期を選ぶ
引越しにかかる費用は、時期によっても変わります。
3~5月や8月は引越し業者の繁忙期となるため、料金も高額です。
なるべくなら11~2月の閑散期に引越しができるように、調整するのがおすすめです。
また、引越し業者を決めるときも、複数の業者から見積りを取ると値下げ交渉がしやすくなります。
新築は自身の生活にあった計画をする
建て替えでは、現状の間取りや広さにとらわれない計画が有効です。
解体費用に新築費用が加わるため、総費用は新築購入より高額になりがち。
しかし、家族構成やライフスタイルに合わせて適切な規模を選ぶことで、費用を抑制できます。
たとえば、高齢者夫婦の場合、2LDKの平屋建てなどを建てると、快適性と安全性を確保しながら、建築費用やメンテナンス費用を抑えられます。
将来を見据えた適切な住宅計画が、予算の効率的な活用につながるのです。
補助金制度を活用する
建て替えにはさまざまな補助金制度が利用可能です。
とくに解体では、老朽化による危険家屋や空き家を対象とした補助金が充実しています。
山口県の例では、危険空き家の解体に最大50万円の補助金が用意されています。
また新築時には、省エネ住宅への補助金や、地域産材活用への支援制度なども利用可能です。
具体的な補助金額や条件は自治体によって異なるため、早めの確認と申請が重要となります。
7.家を壊して建て替える際に注意すべきポイント
家の建て替えでは、事前の調査や確認が重要です。
アスベストの有無、建築制限、仮住まいの手配など、さまざまな点の検討が必要です。
これらの確認を怠ると、予期せぬ追加費用や工期の遅れが発生する可能性があります。
ここでは、スムーズな建て替えのために必要な注意点を解説します。
家を壊す前にアスベストが含まれていないか確認する
アスベスト(石綿)は、過去に断熱材や建材として使用された有害物質です。
アスベストが含まれている場合、特殊な除去作業が必要となり、解体費用が通常の2~3倍に跳ね上がります。
1平米あたりの除去費用は2~3万円程度で、建物全体では数百万円の追加費用となる可能性もあります。
そのため、建て替えの計画段階で専門業者による調査を行い、正確な費用を把握しておくことが賢明です。
建築制限がかかっていないか確認する
古い建物の建て替えでは、現行の建築基準法との適合性確認が不可欠です。
たとえば、道路の幅員が狭い場合や、接道要件を満たさない場合は、新築が制限される可能性があります。
また、用途地域の変更により、以前と同じ規模の建物が建てられないケースもあります。
こうした制限は、建築士や行政に事前相談が可能です。
早期の確認により、建て替え計画の実現可能性を見極められます。
ペットがいる場合は仮住まいを慎重に検討する
ペット同伴の仮住まいでは、配慮が必要です。
ペット可物件は一般的な賃貸物件と比べて家賃が高い傾向があり、選択肢も限られます。
大切な家族ですから、極力ストレスは与えたくないはず。
環境の変化はペットにとって大きなストレスとなるため、散歩やフードの時間は従来の生活リズムの維持が大切でしょう。
仮住まい先の検討は、建て替え計画の初期段階から始めることをおすすめします。
ライフラインの状況を早めに確認してもらう
古い建物の建て替えでは、ライフラインの事前確認が重要な要素となります。
とくに水道の引き込み管は、過去の施工状況により隣地を通っているケースがあり、建て替え時に大きな問題となります。
たとえば、引き込み管が隣地を通っている場合、新たなルートでの配管工事が必要です。
この追加工事には、一般的な建築費用とは別に50〜100万円程度の費用が発生する場合があります。
このような予期せぬ支出を避けるため、建て替えの計画段階で建築会社へ相談するなど、専門家による調査を行うのがおすすめです。
早期の確認により、必要な予算を事前に把握し、より現実的な建て替え計画を立てられるでしょう。
8.まとめ
建て替え費用の全国平均は5,745万円で、一般的な新築住宅よりも高額です。
建て替えは解体工事費用や新築費用だけではありません。
引越しや仮住まいのための費用諸経費など、さまざまな諸経費が必要となります。
建て替えを成功させるためには、事前の十分な調査と確認が重要となります。
とくにアスベストの有無、建築制限、ライフラインの状況などは、予想外の追加費用を防ぐ重要なポイントです。
これらの確認を怠ると、工期の遅れや予算超過につながる可能性があります。
タナカホームズは、明治元年創業以来、多くの建て替え実績を積み重ねてきました。
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建て替えをご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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