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2023年3月27日 / 性能
ZEH補助金とすまい給付金は併用できる?その他の補助金もまとめて解説
マイホームの建築費用を軽減するため、補助金申請を考える人も多いのではないでしょうか。
ただし、補助金の中には併用できないものもあります。
この記事では「ZEH補助金」と「すまい給付金」は併用できるのかを解説しました。
補助金申請の流れや注意点もまとめています。
少しでも建築費負担を少なくするためのヒントにしてください。
目次
1. ZEH補助金とは
現在、マイホームに関する補助金は「ZEHで建てた家」を対象としたものが主流です。
ZEH補助金を詳しく解説します。
ZEH補助金の概要
ZEHとは、国が「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」との数値目標を立て普及を推進している省エネ住宅の仕様です。
高性能な省エネや創エネ(太陽光発電によるエネルギー創出など)により、住宅で消費するエネルギーより生み出すエネルギーの方が多い住宅を指します。
政府は、基準を満たす住宅に補助金を充てることで、普及を目指しています。
この補助金が「ZEH補助金」です。
補助金の額は住宅の性能によって異なります。
ZEH補助金の種類
ZEH補助金は、ZEHの性能によって4つの区分に分けられます。
表は下にいくほど、高性能なZEHであることを示します。
また、性能によっては、設備の導入に追加の補助を受けられる場合もあります。
※参考:令和4年度 3省連携事業「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進にむけた取り組み」|国道交通省 ※404
2. すまい給付金とは
「すまい給付金」とは、納税額の少なさゆえに住宅ローン控除の恩恵を受けにくい人に対し、現金を給付する制度です。
もともとは消費税率が10%に引き上げられた際に、低所得者層への負担軽減措置として始まりました。
すまい給付金は、引き渡しが令和3年12月31日(条件つきで令和4年12月31日)までに完了した住宅が対象でした。
令和5年度現在は廃止されており、ZEH補助金との併用はできません。
3. ZEH補助金と併用できる補助金
ZEHを対象とした補助金と併用できる補助金も、実はあります。
併用可能な補助金と、考え方を解説します。
自治体独自の補助金制度
自治体の中には、独自の補助金制度を用意しているケースがあります。
自治体の補助金は、ZEH補助金と併用できます。
ただし、併用できる条件は補助金の財源が自治体独自であることです。
山口県にも、さまざまな住宅取得補助制度があります。
記事後半でまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。
ZEH補助金と併用できる補助金の考え方
ZEH補助金と併用可能な補助金は、目的と財源に注目すると見つかります。
基本的に、目的と財源を同一にする補助金は、併用できないと考えましょう。
なお、複数のZEH補助金は、目的が「ZEHの普及」と同じため、同時申請できません。
ZEH補助金は国の財源を使っており、国庫から支出される他の補助金との併用もできないため、注意しましょう。
住宅ローン控除は併用可能
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、年末のローン残高の0.7%分の控除を受けられる制度です。
住宅ローン控除の目的は、住宅取得者の金利負担の軽減にあります。
住宅ローン控除は、ZEH補助金とは目的が異なるため、ZEH補助金を受けつつ住宅ローン控除を受けることが可能です。
また住宅ローン控除は税額控除であり、国庫から補助金が出るわけではない点からも併用可能といえます。
4. ZEH補助金を受ける際の3つの注意点
ZEH補助金を申請したい場合は、施工会社選びの段階から注意が必要です。
ZEH補助金に必要な条件を解説します。
ZEHビルダー・プランナーの施工会社を選ぶ
ZEH補助金を受けるには「ZEHビルダー・ZEHプランナー」が住宅を手掛ける必要があります。
ZEHビルダー・ZEHプランナーとは、ZEH建築の認定を受けた工務店やハウスメーカーです。
ZEHビルダー・ZEHプランナーではない施工会社は、ZEHを建築できません。
ZEHで住宅を建てたい人は、施工会社を決める際にZEHビルダー・ZEHプランナーかどうかチェックしましょう。
補助金スケジュールに合わせて申請する
ZEH補助金は、申請スケジュールが細かく決まっています。
申請できるタイミングは1年間に3回で、設定された期日までに必要な手続きを済ませなければなりません。
申請の手続き自体は、施工会社が行います。
また、ZEH補助金の申請受付は先着順で、その年の予算上限に達すると募集締め切りとなるため、早めの申請をおすすめします。
申請から入金には時間がかかると理解しておく
ZEH補助金を受けるための手続きが完了しても、数日~数週間という短期間内には振り込まれません。
多くは手続き完了から数か月後に入金となります。
長いケースでは「半年待った」人も見られました。
ZEH補助金をあてにした資金計画を立てていると、竣工直後から資金繰りに困るおそれがあります。
ZEH補助金の入金には時間がかかる前提で、資金計画を立てましょう。
5. ZEHの家を建てる3つのメリット
補助金申請には手間がかかりますが、ZEHは手間を上回るメリットを享受できます。
ZEHのメリットを3つ解説します。
省エネ・創エネ性能により光熱費が節約できる
ZEHは高い省エネ性能を維持するために、高気密・高断熱でつくられます。
室温は外気温の影響を受けにくく、冷暖房の使用頻度が下がり光熱費を抑えられます。
またZEHは太陽光発電をはじめとする創エネ設備の搭載が必須です。
電力を自家発電・自家供給できる点からも、光熱費の節約に貢献します。
災害時にも電力を確保できる
太陽光発電などの創エネ設備を搭載しているZEHは災害時にも強みを発揮します。
万一の停電時でも、電力を自家発電できるためです。
地震や豪雨などの災害は、いつ起きるかわかりません。
万一に備える設備は、家族の暮らしに安心感をもたらします。
さらに蓄電池を併設すれば、夜も一定量の電力を供給できます。
住む人の身体に優しい家になる
高い断熱性能と気密性おかげで、ZEHの家は室内の温度差が少なくなります。
お風呂やトイレでも一定の室温が保たれるため、どこにいても快適です。
急激な温度差が血圧を大きく変動させて起きる「ヒートショック」の危険も少なくなり、暮らす人にとって心身面でも安心感が高まります。
6. ZEH住宅建築で知っておきたい2つのデメリット
快適な生活が手に入るZEHですが、建築にあたっては知っておきたいデメリットがあります。
ZEHのデメリットを2点、解説します。
建築費用がかさみやすい
ZEHは性能の良さゆえに、建築費用がかさみがちです。
断熱性を高めるための高品質な断熱材や創エネ設備としての太陽光パネルなど、ZEHの基準を満たす家に仕上げるためにコストがかかるためです。
建築費用がかさむZEHだからこそ、補助金を積極的に利用しましょう。
条件を満たせば、蓄電池や燃料電池に対しても補助金を受けられます。
間取りの制約を受けやすい
ZEHは、ZEHではない家に比べて間取りに制約を受ける場合があります。
場合によっては施主の希望が完全に通らないケースがある点も、デメリットといえるでしょう。
たとえば必要な出力数を持つ太陽光発電パネルを載せるため、屋根の形状が限定されるケースがあります。
また断熱性能を確保するため、開口部の大きさに制約を受ける場合もあります。
性能を確保しつつ希望のデザインを叶えてくれる施工会社を探し、理想のマイホームを手に入れましょう。
7. ZEH補助金を申請する方法
ZEH補助金の基本的な申請の流れを押さえておきましょう。
ZEH補助金を申請する流れは、以下のとおりです。
①施工会社を決める
②設計、補助金を申請する
③補助金基準を満たしているか、審査を受ける
④着工
⑤竣工
⑥実績報告書を提出
⑦入金
申請手続き自体は、施工会社が行います。
ただしZEHの補助金を申請する場合は、ZEHに対応した施工会社でなければなりません。
希望する施工会社がZEHに対応しているかどうか、契約前に忘れずに確認しておきましょう。
8. ZEH補助金と併用できる山口県の助成制度
山口県は、マイホーム取得に対する独自の助成制度を用意しています。
いずれもZEH補助金と併用可能です。
山口県の2つの補助金を詳しく解説します。
やまぐち木の家づくり推進事業補助金
「やまぐち木の家づくり推進事業補助金」は、山口県産の木材利用を推進するための補助金です。
山口県民が、県内に自らが居住する住宅を新築する場合に申請できます。
支給条件の概要は、以下のとおりです。
・延床面積80㎡以上
・構造材に占める優良県産木材の使用割合が60%以上(追加要件あり)
・品確法に基づく住宅性能表示で条件を満たしていること
補助額は要件により25万~45万円/戸で、募集件数の上限があります。
山口県のZEH導入支援事業
山口県独自の「ZEH導入支援事業」は、財源が国庫ではなく県です。
よって国のZEH補助金と併用ができます。
支給条件の概要は、以下の3点です。
・個人住民税の滞納がないこと
・山口県産の省・創・蓄エネ関連設備を導入したZEHであること
・内覧会を開催すること
補助額は20万円/戸で、募集件数の上限があります。
またこの補助金は募集期間が短いため、スピーディーに申請手続きを進める必要がある点に注意しましょう。
9. まとめ
ZEHには、性能要件により多様な補助金が用意されています。
一方、すまい給付金は令和3年をもって廃止されました。
現在は、ZEH補助金とすまい給付金の併用はできませんが、自治体の補助金は国のZEH補助金と併用可能です。
上手に利用し、建築費用の負担を軽減させましょう。
ZEHは、ZEHビルダー・ZEHプランナーの施工会社しか建てられません。
山口県のZEHなら、数多くのZEHを手掛けてきたタナカホームズにご相談ください。
補助金や資金面まで含めて、ZEHに関する相談を何でもお聞きします。
まずは来場予約し、詳しく話を聞いてみませんか。
会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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