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2023年3月24日 / 性能
ZEHの基準とは?補助金を受け取れる住宅の省エネ条件などを解説
ZEHとは、太陽光パネル等による創エネと、断熱・省エネを兼ね備えた住宅のことです。
建てる際には補助金が活用できますが、細かい基準が設定されているため、しっかりと理解したうえで導入を検討する必要があります。
本記事では、ZEHの基準や補助金を受け取れる条件などを解説します。
ぜひ、マイホーム建築の参考にしてください。
目次
1. ZEHとは?
ZEHは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。
ここでいうネットとは、「年間使用エネルギー量が、家が創り出すエネルギー量を差し引いて正味ゼロ以下になる」ことを指しています。
ZEHでは、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーによって生活に必要なエネルギーを生み出すだけでなく、断熱性能の向上と省エネ設備の導入により、生活で消費するエネルギーを抑えることで「年間使用エネルギー量ゼロ以下」の実現を目指します。
2. ZEHの普及が活発な理由
国がZEHの普及に力を入れる背景には、京都議定書およびパリ協定で定められたCO2削減目標の存在があります。
目標達成のために、住宅分野でもエネルギーを削減する取り組みを強化する必要が出てきたのです。
日本では、2011年に発生した東日本大震災以降、エネルギー自給率の低さも大きな問題となっていました。
「エネルギーを使わなくても快適に過ごせる家」を普及推進することで、エネルギー需給構造の改善につながると期待されています。
3. ZEH住宅の基準とは?
ZEHでは、「断熱」「省エネ」「創エネ」の3点での取り組みが求められます。
それぞれの基準を確認しておきましょう。
ZEHの断熱基準
「断熱」では、家の外気・内気の熱を伝わりにくくする工夫が求められます。
断熱性能が高ければ、冷暖房の効きもよく、エネルギーを無駄遣いせずに済むためです。
断熱性能は、外皮平均熱貫流率(UA値)で表されます。
壁・床(もしくは基礎)・天井(もしくは屋根)の断熱材の性能や厚さ、窓の大きさや性能から算出され、数値が低いほど断熱性能が高い、という指標です。
ZEHの強化外皮基準は、数字で表される地域区分ごとに定められています。
1・2地域で0.40W/㎡K以下、3地域で0.50W/㎡K以下、4~7地域では0.60W/㎡K以下をクリアしていなければなりません。
ZEHの省エネ基準
ZEHでは、設計一次エネルギー消費量(設計された住宅が一年間で使うと想定されるエネルギー量)を、基準一次エネルギー消費量(地域や家の大きさから一般的だと想定されるエネルギー量)より20%削減することとされています。
上記を実現するためには、省エネ機器の導入が必須です。
いくら家の断熱性能が高くても、エネルギー効率の悪い機器を使っていれば、エネルギーを無駄に消費してしまうでしょう。
特に、エネルギー消費の大きい「空調」「照明」「給湯」「換気」の4項目を中心に、省エネ性能が高い機器を導入する必要があります。
ZEHの創エネ基準
ZEHのもっとも大きな特徴ともいえるのが、「創エネ」です。
ZEHでは、家庭で必要となる年間消費エネルギーを上回るエネルギーを、再生可能エネルギーで創り出すことが求められます。
太陽光発電をメインに、家庭用燃料電池や蓄電池などと組み合わせて実現を目指します。
太陽光発電の搭載必要容量はそれぞれの住宅性能や建築地域などによって異なるため、自宅が基準をクリアできるかどうかは、各々でしっかり確認しなければなりません。
おおよその目安として、一般的な地域区分6の地域(東京や名古屋など)で35坪前後の家を建てる場合、4~5kWが必要だといわれています。
4. ZEHを導入するメリット
ZEHを導入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的に理解しておきましょう。
省エネで快適な健康に過ごせる家になる
ZEH導入により断熱性能の高まった家では、冷暖房をあまり使用せずとも快適な室温が保たれます。
居室間の温度差が小さくなるため、温度変化によって引き起こされる血圧変動や体調の変調の軽減につながるでしょう。
夏の熱中症予防から、冬のヒートショック予防や冷え性の改善まで、幅広い健康への好影響が期待されます。
災害時にも活用できて資産価値も上がる
ZEHの家は太陽光発電でエネルギーをつくり出せるため、災害時にも活躍するでしょう。
蓄電池も導入すれば、日光が出ていない間にも電気が使えます。
また、ZEHを導入する家は、住宅のエネルギー性能を評価する指標「BELS」でも高い評価を得ています。
星4〜5つの高評価住宅として、将来的に家を売却する際にも高値で売れる可能性があるのです。
5. ZEHを導入するデメリットと注意点
メリットの多いZEHの家ですが、いくつか注意しておきたい点もあります。
ここでしっかりと確認しておきましょう。
ZEH導入のデメリット
ZEHの基準を満たすためにはさまざまな資材や設備が必要で、一般住宅よりも初期費用がかかるケースがほとんどです。
さらに、設備は「設置すれば終わり」ではありません。
メンテナンスの費用や手間も発生します。
創エネが期待される太陽光発電も、太陽が出ていないと発電ができない点には注意が必要です。
ZEHを選ぶ際の注意点
ZEHの補助金の支給項目や金額は、毎年見直されています。
工期は申請スケジュールに合わせなければならないため、申請前から最新情報を確認する必要があります。
国が十分に普及したと判断した場合には、補助金自体がなくなってしまう可能性がある点にも注意が必要です。
加えて、さまざまな設備の導入が求められるZEHでは、保証の有無も確認しておきましょう。
6. ZEH補助金はどのくらい貰えるのか
ここでは、実際にどのくらいの補助金が貰えるのかを確認しておきましょう。
予算計画の参考にしてください。
令和4年度のZEH補助金の場合
令和4年度をみてみると、一般的なZEH(後述するNearly ZEHやZEH Orientedを含む)で55万円/戸の支給となっています。
ZEHより高性能な設備の導入が求められる、ワンランク上のZEH+で、100万円/戸です。
ZEH+では、「エネルギー消費量25%以上削減」とZEHより高い数値を求められますが、追加で導入する機器のコストをみてみると、最安であれば10万円程度です。
最低限の基準をクリアするものを導入しさえすれば100万円/戸の支給となるため、割がよいといえるでしょう。
参考:令和4年度 3省連携事業 ネット・ゼロ・エネルギーハウスの推進に向けた取り組み
7. 補助金を獲得するためのアドバイス
ZEH補助金を確実に獲得したければ、ZEHの建築や手続きの経験が豊富な会社に頼むのがおすすめです。
補助金の申請スケジュールに合わせて工期を設定しなければなりませんし、書類でも不備が重なると、支給が取り消しになるおそれもあります。
ZEHの建築には専門の知識を要するため、実績のある会社に依頼するようにしましょう。
Nearly(ニアリー)や Oriented(オリエンテッド)の活用
建築予定地が太陽光発電に向かない土地の場合には、以下を検討してみるとよいでしょう。
【Nealy ZEH】
都心部に多くみられる狭小地向けのZEHです。
床面積や屋根面積、日照時間が確保できない場合には、年間一次消費エネルギーの削減率が、75%〜100%に緩和されます。
【ZEH Oriented】
北側斜線制限用地で敷地面積が85㎡未満(約25坪)の場合に適応されるZEHです。
ZEHの基準を超える断熱性・省エネ性を備えてさえいれば、太陽光発電の設置は求められません。
8. 山口県ではZEH推奨事業が展開中
令和4年度の山口県では、「山口県ゼロ・エネルギー・ハウス導入支援補助金」として20万円の補助金支給を行なっています。
参考:令和4年度 山口県の家庭向け補助金と融資のご案内|山口県環境生活部環境政策課
さらに、ZEH住宅のよさを体感するために、ZEH基準の断熱性能を備えた高断熱住宅での宿泊体験も実施されました。
参考:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)宿泊体験について|山口県 中国地方・山口県
ローコストなのに高品質高性能な家をご提供するタナカホームズでは、ローコスト規格住宅から全棟でZEH基準の高気密・高断熱仕様を採用しています。
山口県でZEHの導入をご検討中であれば、ぜひ一度ご相談ください。
9. まとめ
ZEHは、断熱・省エネ性能を高めつつ、再生可能エネルギーによる創エネで家庭の年間使用エネルギー量ゼロ以下を目指す住宅です。
それぞれで達成すべき性能や基準が設けられており、建築や手続きには専門の知識が必要なため、経験豊富な会社に依頼するようにしましょう。
中国地方・山口県でZEH補助金を利用したマイホーム建築をお考えなら、タナカホームズにおまかせください。
地元の気候風土に適した家づくりを追及してきたタナカホームズだからこそ、中国地方・山口県で暮らしやすいZEHの家をご提供可能です。
ぜひ、住宅展示場にてご確認ください。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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