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2024年11月11日 / 設備
【絶対必要】戸建ての24時間換気システムとは?種類や選び方・3つの注意点を解説
24時間換気システムは、建物内の空気を休みなく換気し続けるシステムです。
法律で24時間換気システムの設置は義務付けられているため、戸建てを建築する際は自宅に適したシステムを設置しましょう。
この記事では、戸建ての購入を検討している人に向けて、24時間換気システムの種類や選び方、注意点などを紹介します。
ぜひ、住まいに適した設備選びの参考にしてください。
目次
1.24時間換気システムとは
24時間換気システムとは、24時間「給気」と「排気」をし続けるシステムです。
24時間換気システムは、給気口と排気口のいずれか、または両方に換気扇を取り付けます。
なお、システムの稼働には電気代がかかりますが、室内の空気を正常化するためには必要経費といえます。
空気清浄機との違い
空気清浄機は、室内の空気を循環させホコリなどを除去するシステムです。
24時間換気システムのように稼働させたままにしても、空気清浄機では、人体にとって有害な一酸化炭素や二酸化炭素を除去できません。
一酸化炭素はガスの暖房機などを使ったときに、二酸化炭素は呼吸などで発生します。
空気清浄機のみの環境では換気が必要不可欠なため、必ず24時間換気システムを稼働させ、有害物質を排出しましょう。
2. 24時間換気システムは3種類に分けられる
住宅用の24時間換気システムには、主に3つの方式が存在します。
それぞれの特徴や用途に応じて、適切な方式を選択することが重要になります。
それぞれの特徴について一覧表にまとめました。
ここからは各方式についてより詳しく説明していきます。
第一種換気方式
給気と排気の両方に機械装置を使用する第一種換気方式は、最も計画的な換気が可能なシステムです。
室内外の気圧をバランスよく保つことができ、効率的な換気を実現できます。
ただし、二つの機械装置を必要とするため、設置費用や運転コストが他の方式と比べて高くなる傾向にあります。
第二種換気方式
給気に機械を使用し、排気を自然換気で行う第二種換気方式は、室内を正圧に保つことができます。
この方式は、外部からの汚染物質の侵入を防ぐ必要があるクリーンルームなどで採用されていますが、一般的な戸建て住宅での使用には適していないため、ほとんど見かけることはありません。
第三種換気方式
給気を自然換気、排気を機械換気で行う第三種換気方式は、最も一般的な換気方式となっています。
設置費用が比較的安価で、維持管理も容易なことから、多くの戸建て住宅で採用されています。
また、トイレや浴室などの水回りの換気と組み合わせやすい特徴があるため、実用的な選択肢として評価されています。
3. 24時間換気システムが戸建てに必要なのはなぜ?
現代の住宅建築において、24時間換気システムは欠かすことのできない設備となっています。
その理由は、近年の住宅が高気密・高断熱となっているためです。
高気密・高断熱の空間とは、外気との隙間が極めて少なく、断熱性の高い状態のことです。
ただし高気密・高断熱には課題もあります。
従来の住宅では隙間風によって自然な空気の入れ替えが行われていましたが、現代の高気密・高断熱の住宅では隙間風はほとんど発生しません。
その結果、室内の空気が滞留しやすくなり、ハウスダストや汚染物質が室内にとどまりやすい環境となることがあります。
このような状況は、居住者の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、24時間換気システムの導入が不可欠となっているのです。
4.24時間換気システムは主に3種類
24時換気システムは「給気」と「排気」の仕組みの違いから3種類に分けられます。
以下では、3種類の24時間換気システムについて、メリット・デメリットを交えて紹介します。
第1種換気方式
第1種換気方式は給気口にも排気口にも換気扇を搭載し、室内に気流をつくり効率良く換気を行います。
第1種換気方式には、オプションとして熱交換換気システムが備わっている場合があります。
第1種換気方式のメリット
第1種換気方式は、3つの換気方式のなかではもっとも換気の効率に優れています。
窓を開けなくても十分な換気ができます。
また、高性能なフィルターを選ぶと、PM2.5や花粉のような微細な異物を室内に侵入させません。
冷暖房効率を気にするなら、省エネ効果の高い熱交換換気システムが備わった設備を選びましょう。
熱交換換気システムは、排出される空気の温度を利用して、給気される空気を適温に調整します。
第1種換気方式のデメリット
第1種換気方式は、2つの換気扇を動かすためランニングコストが割高です。
また、第1種換気方式を適切に運用するには、気密性の高さが重要です。
気密性が低いと隙間から入り込んだ風が室内の気流を乱し、換気の効率が低下してしまいます。
第2種換気方式
第2種換気方式では給気口のみに換気扇が設置されており、室内外の気圧差により、微量の空気が排気口から押し出される仕組みです。
第2種換気方式は、一般の戸建て住宅ではほぼ見かけません。
第2種換気方式のメリット
第2種換気方式では室内の気圧が高くなるため、外部のPM2.5・ホコリ・花粉などの汚染物質の侵入を防ぎます。
第2種換気システムは、精密機械の製造現場や研究室など、クリーンな環境を求める現場によく利用されます。
第2種換気方式のデメリット
第2種換気方式は、もっとも換気効率の低いタイプです。
また、第2種換気方式は給気口の近くが冷えやすく、正圧で壁内に湿気が溜まり結露する傾向も見られます。
戸建てには、第2種換気方式は不向きといえます。
第3種換気方式
第3種換気方式は、戸建てで一番多く採用されるタイプです。
第3種換気方式は排気口にのみ換気扇を設置し、排出分に応じた空気を自然に給気口から取り込みます。
なお、第3種換気方式で適切に換気するためには、すべての部屋に給気口を設置する必要があります。
第3種換気方式のメリット
第3種換気方式で設置する換気扇は1つのみで、熱交換換気システムも搭載しません。
そのため、初期費用やランニングコストが安く、施工しやすいタイプといえます。
また、第3種換気方式では室内の気圧が低くなるため、住宅の気密性にかかわらず壁の中に湿気が入りこみにくくなります。
第3種換気方式のデメリット
第3種換気方式は熱交換換気システムを備えていないため、給気口の近くは寒く感じやすい場合があります。
また、建物の気密性があまりに高いと、気圧差で玄関のドアを開けにくくなります。
5.戸建ての24時間換気システムの選び方
戸建ての24時間換気システムの選び方を紹介します。
換気の効率や健康面を考慮して適切なタイプを選びましょう。
基本的には第1種か第3種換気方式
一般的な戸建てに設置する場合は、第1種か第3種換気方式を選びましょう。
第2種換気方式は排気しにくく、3つのタイプのなかではもっとも換気の効率が落ちます。
また、第2種換気方式では壁内結露が発生しやすく、特に木造住宅では結露により建物の寿命が短くなってしまいます。
アレルギー体質であれば第1種換気方式
入居する家族にアレルギーの体質の人がいる場合は、コストがかかったとしても第1種換気方式を導入しましょう。
第1種換気方式は、フィルターで外部の有害物質を取り除き、効率のよい換気で室内から発生する有害物質を速やかに排出します。
アレルギー体質の人は、シックハウス症候群にかかりやすい傾向があります。健康を優先してシステムを決定しましょう。
最終的には専門家に相談する
24時間換気システムのタイプに迷ったときは、ハウスメーカーや施工業者などの専門家に相談しましょう。
住居の「システム」部分は、自分たちの判断で決定しにくいものです。
建物の気密性、換気システムの機能性やメンテナンスのしやすさ、などの観点から専門家の意見を聞いて総合的に判断してください。
6.戸建ての24時間換気システムでよくある質問
24時間換気システムについて、多くの方が疑問に感じる点について、詳しく解説していきます。
日常生活で気になることを中心に、わかりやすく説明していきましょう。
24時間換気システムは冷暖房の効きが悪くなるって本当?
結論から言うと24時間換気システム自体が冷暖房の機器を悪くするわけではありません。
設置されている換気システムの種類によって異なります。
たとえば第一種換気方式では、冷暖房の効率低下を最小限に抑える特徴を持っています。
理由は第一種換気に用いられる熱交換換気扇です。
熱交換換気扇は、室内の空気と外気を直接接触させることなく熱を交換する特殊な装置です。
冷暖房の効きが心配な人は第一種換気方式を選ぶと良いでしょう。
一方、第三種換気方式では、外気が直接室内に入ってくるため、温度変化の影響を受けやすくなります。
ただし、給気口の位置を工夫することで、この影響を軽減することができます。
たとえば以下のように給気口を配置すると良いでしょう。
• エアコンの真下に給気口を設置する
• ベッドの頭上にこないように給気口を設置する
使用していない部屋は給気口を閉じてもいい?
使用していない部屋であっても、給気口は開けたままにしておくことが推奨されます。
これは、建物全体の換気計算が、すべての給気口が開いている状態を前提に行われているためです。
給気口を閉じてしまうと、必要な換気量を確保できなくなる可能性があります。
また、閉じた部屋の空気の流れが悪くなることで、湿気がたまりやすくなり、カビやダニの発生を招く恐れもあります。
24時間換気扇に後付けフィルターはつけてもいい?
後付けフィルターの設置は可能ですが、慎重な管理が必要です。
多くの換気扇は後付けフィルターの設置を想定して設計されていないため、フィルターの目詰まりによって換気効率が低下したり、換気扇に過度な負担がかかったりする可能性があります。
使用する場合は、定期的なフィルターの交換や清掃を必ず行うようにしましょう。
換気扇の寿命を延ばし、効率的な換気を維持するためには、こまめなメンテナンスが不可欠です。
24時間換気システムがあれば窓を開けての換気はいらない?
24時間換気システムは、窓を開けての換気なしでも十分な換気効果が得られるように設計されています。
特に第三種換気方式の場合、窓を開けることで却って換気効率が低下することもあります。
ただし、調理時の煙や気になるにおいを素早く排出したい場合など、一時的に特定の空間の空気を入れ替えたい時には、窓を開けての換気が効果的です。
状況に応じて、適切な換気方法を選択することが重要です。
7.まとめ
24時間換気システムは、建物への設置が義務付けられています。
戸建てに適したタイプは、第1種換気方式または第3種換気方式です。
コストや性能、建物の特性などを考慮し、専門業者の意見も参考にして24時間換気システムを選んでください。
タナカホームズは、ローコストながら高品質高性能な住宅を提供します。
また今回紹介した換気システムの導入はもちろん、自然素材を利用し、材料からシックハウスの対策も行っています。
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