Blog
スタッフブログ
2022年10月30日 / お金・ローン
ZEH住宅の固定資産税は減税される?減税措置や補助金制度について解説
「ZEH住宅に関する税金は、一般住宅とはどう異なるの?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。この記事では、ZEH住宅の購入・リフォームに係る税金について、固定資産税・所得税・登録免許税など詳しく解説します。減税制度だけでなく補助金制度についても解説しているため、ZEH住宅の購入やリフォームを検討中の人はぜひ参考にしてください。
目次
1.ZEH住宅とは
ZEH住宅とは、住宅性能を向上させることで、年間の消費エネルギーが差し引きゼロ以下になることを目指したエコ住宅のことです。
ZEH住宅として認められるためには、高効率の冷暖房や給湯システムなどの「省エネ設備」と、高性能な断熱材を使用した「断熱性能」、太陽光発電をはじめとした「創エネ設備」の3つの要素が求められます。
2.ZEH住宅のメリット
ここからは、ZEH住宅で暮らすメリットを解説します。
光熱費を抑えられる
ZEH住宅は一般的な住宅と比べて断熱性能が高く、高効率の冷暖房設備が導入されています。
そのため、冷暖房の使用時間や回数を大幅に減らすことが可能です。
また、太陽光発電設備で電力を創出できるため、光熱費の削減を実現できます。
停電中も電力を使用できる
太陽光発電設備による自家発電が可能となるため、蓄電池を設置すれば非常時でも電力を利用できます。
たとえば、停電中の場合でも冷蔵庫やトイレ、お風呂などを使用できるため、災害時の備えにもなるでしょう。
ヒートショックを防げる
ヒートショックとは、お風呂場と廊下など、室内の温度差により、血圧が急激に変化することです。血圧が急激に上下することで血管がダメージを受け、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な症状を引き起こします。
ZEH住宅は室内の温度を一定に保ちやすいため、こうしたヒートショックのリスクを軽減できます。
減税措置や補助金を受けられる
現在日本では、国がZEH住宅を推奨しているため、さまざまな減税措置や補助金制度が用意されています。
ただし、補助金は申請したからといって必ず受け取れるわけではないため、注意が必要です。
3.ZEH住宅に関する減税制度
ZEH住宅には、さまざまな減税制度が適用されます。
しかし、制度を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があるため、詳しくは官公庁の公式ページを参照してください。
また、以下で紹介するような軽減措置を受けるためには、ZEH住宅としてだけではなく、長期優良住宅や低酸素住宅の認定が必要なケースもあります。
ZEH住宅はもともと高性能なエコ住宅なので、長期優良住宅や低酸素住宅の認定を同時に受ける場合も少なくありません。
各種認定については、依頼する住宅メーカーへご相談ください。
なお、以降で紹介する各種制度の情報は、令和4年9月時点のものです。
固定資産税の減額措置期間の延長
新築住宅の購入に際し、固定資産税が2分の1に減額される措置です。
一般住宅は減税措置期間が3年間なのに対し、長期優良住宅は5年間に延長されます。
なお、この優遇措置を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
・床面積が50㎡以上280㎡以下
・長期優良住宅の認定通知書を取得している
省エネ改修に係る固定資産税の減額措置
固定資産税は、土地や家屋などの「固定資産」に対して課せられる税金です。
既存住宅に一定の省エネリフォームを施した場合、工事完了年の翌年度分の“家屋にかかる”固定資産税が減額されます。
適用期限は令和6年3月31日までです。
なお、この減額措置を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
・平成26年4月1日以前から存在する家屋であること
・省エネ改修後の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
・店舗等併用住宅の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
・省エネ改修後の断熱改修部位がいずれも平成28年省エネ基準相当に新たに適合すること
・省エネ改修工事の合計額が合計60万円を超えていること
・令和6年3月31日までに工事を完了すること
省エネ改修に係る所得税(投資型)の軽減措置
所得税は、年間の所得に対して課せられる税金です。
既存住宅に一定の省エネリフォームを施した場合、改修後居住を開始した年の所得税額が一定額控除されます。
適用期限は令和5年12月31日までです。
なお、この軽減措置を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
・その者が所有しかつ主として居住の用に供する家屋であること
・工事完了から6か月以内に居住の用に供すること
・床面積が登記簿表示上で50㎡以上であること
・店舗等併用住宅の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
・合計所得金額が3,000万円以下であること
投資型減税
長期優良住宅は、住宅ローンを組まない場合も減税制度を利用できます。
なお、住宅ローンを組んだ場合は、「住宅ローン減税」と「投資型減税」のうち、どちらか一方を選択可能です。
投資型減税の控除対象限度額や控除期間などは、以下のとおりです。
控除対象限度額 控除期間 控除率 最大控除額
650万円 1年間 10% 65万円
登録免許税の軽減措置
登録免許税とは、不動産登記の手続きに係る税金のことです。
不動産登記は、不動産の購入や相続の際に、所有者を公的に明らかにするために行われます。
登録免許税には、もともと軽減措置が実施されていますが、長期優良住宅や低酸素住宅ではさらなる軽減措置を受けられます。
たとえば、所有権の保存登記に係る税率は、以下のとおりです。
本来の税率 一般住宅 長期優良住宅 ・低酸素住宅
0.4% 0.15% 0.1%
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
住宅の新築・取得・増築・改築などにかかる費用について、父母や祖父母などの直系尊属から資金援助を受けた場合、一定の金額に関しては贈与税が非課税となります。
一般住宅の場合は500万円まで非課税ですが、「質の高い住宅」の場合は1,000万円までが非課税です。
「質の高い住宅」と認められるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
・断熱性能等4以上もしくは一次エネルギー消費量等級4以上
・耐震等級2以上もしくは免震建築物
・高齢者等配慮対策等級3以上
なお、適用期限は令和5年12月31日までです。
4.ZEH住宅に関する補助金制度
ZEH住宅には、減税制度だけでなくさまざまな補助金制度が用意されています。
こどもみらい住宅支援事業
子育て世帯または若者夫婦世帯を対象とした事業です。
「こどもみらい住宅事業者」と契約し、高い省エネ性能等を有する新築住宅・新築分譲住宅の購入、またはリフォームをする場合に、住宅の省エネ性能等に応じた金額が補助されます。
なお、補助金額は、住宅性能や工事内容によって異なります。
地域型住宅グリーン化事業
優れた省エネ性能や耐久性を持つ木造住宅の整備や三世代同居への対応などに対して、補助金を支給する事業です。
補助金の支給を受けるためには、この事業に参加する施工業者へ依頼する必要があります。
ZEH支援事業
ZEH住宅やZEH+住宅を新たに建築・購入する個人や、販売者となる法人が対象の事業です。
補助額はZEH住宅の場合で1戸あたり55万円、ZEH+住宅の場合で1戸あたり100万円です。
次世代ZEH+(注文住宅)
実証事業 ZEH+住宅を新たに建築する個人を対象とした事業です。
ZEH+住宅の要件を満たしたうえで、蓄電システムや太陽熱利用温水システムなどの設備のうち1つを導入する必要があります。
補助額は1戸あたり100万円です。
次世代HEMS実証事業
ZEH+住宅を新たに建築する個人を対象とした事業です。
ZEH+住宅の要件を満たしたうえで、蓄電システムとV2H充電設備のいずれか1つを導入し、AI・IoT技術などにより太陽光発電システムを最大限活用する仕組みを備える必要があります。
補助額は1戸あたり112万円です。
超高層ZEH-M実証事業
新築マンションを開発する事業者を対象とした事業です。
住宅用途部分が21層以上のZEHマンションに対して、補助対象経費の2分の1以内が補助されます。
補助の上限額は年間3億円、1事業あたり10億円までです。
中高層ZEH-M支援事業
新築マンションを開発する事業者を対象とした事業です。
住宅用途部分が4~20層のZEHマンションに対して、補助対象経費の3分の1以内が補助されます。
補助の上限額は年間3億円、1事業あたり8億円までです。
低層ZEH-M促進事業
新築マンションを開発する事業者を対象とした事業です。
住宅用途部分が1~3層のZEHマンションに対して、1戸あたり40万円が補助されます。
補助の上限額は年間3億円、1事業あたり6億円までです。
5.中国地方・山口県のZEH住宅支援事業
山口県では国の支援事業とは別に、「山口県ゼロ・エネルギー・ハウス導入支援補助金」という独自の補助制度を設けています。
補助額は定額20万円で、対象となるのは山口県産の省・創・蓄エネ関連設備を導入した新築または新築建売住宅のみです。
また、住宅完成後は内覧会を開催する必要があります。
6.まとめ
ZEH住宅には「固定資産税の減額措置期間の延長」や「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置」など、さまざま減税措置が適用されます。
また、補助金制度も多数用意されており、上手に活用すれば住宅取得にかかる費用を大きく軽減できるでしょう。
ただし、ZEH住宅や長期優良住宅などの減税措置・補助金制度は複雑な内容も多いため、経験豊富な住宅メーカーへ相談することをおすすめします。
中国地方・山口県でZEH住宅の購入を検討中の方は、ぜひタナカホームズまでご相談ください。
ローコストかつ高品質・高性能な住宅を数多く手掛けてきたタナカホームズなら、各種エコ住宅の要件を満たした理想の住まいを実現できます。
<<ここでしか見られない限定情報公開中 無料会員登録はコチラ>>
会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
最近の投稿