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2023年5月19日 / 設備
太陽光発電設備には固定資産税がかかる?課税される条件と計算方法を解説
太陽光発電設備を搭載した住宅の新築を検討しているものの、固定資産税の対象となるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
実は住宅の太陽光発電設備は、課税対象になるケースとならないケースがあります。
この記事では太陽光発電設備と固定資産税について、詳しく解説します。
できるだけお得にマイホームを建てる際のヒントにしてください。
目次
10.中国地方・山口県のマイホームへの太陽光発電ならタナカホームズにご相談を
1. 固定資産税とはどのような税か
固定資産とは土地・家屋・償却資産をまとめて指します。
固定資産税は地方税の1つで、毎年1月1日現在の固定資産の所有者に対して課税されます。
実は土地は最終的には国のものであるため、所有者は土地を使用する対価として固定資産税を支払わなければなりません。
また固定資産税は土地・家屋に付帯する行政サービスの対価とも理解できます。
2. 太陽光発電は固定資産税の対象となるか
太陽光発電設備は固定資産のうち、償却資産(機械・装置)に該当します。
ただし太陽光発電設備に固定資産税がかかるかどうかは、設備の出力量によって決まります。
- 出力10kW未満(主に住宅用):非課税
- 出力10kW以上(主に産業用):課税
出力量によって課税されるかどうか異なる理由や細かな条件は、次の章で詳しく解説します。
3. 太陽光発電に固定資産税がかかるケース
太陽光発電設備が固定資産税の課税対象となるかどうかを決める条件は、大きくわけて2つあります。
それぞれを詳しく解説します。
太陽光発電設備が「産業用」とみなされる場合
所有する太陽光発電設備が産業用、つまり営利目的と見なされると課税対象となります。
産業用とされる条件は以下です。
- 出力10kW以上の設備
- 発電した電力をすべて売電する(全量売電)の設備
一般的な個人住宅で使う電力は、10kW以下の出力で十分まかなえます。
そのため10kW以上の設備はすべて営利目的だとみなされます。
屋根と一体型の太陽光設備の場合
太陽光パネルのなかには、デザイン性の高い「屋根一体型」が存在します。
屋根と一体のパネルは家屋の一部だとみなされるため、家屋に対する固定資産税の評価額対象となります。
また、屋根一体型の太陽光パネルは家屋のデザイン性を高めます。
家屋の評価額を上げる要因となり、固定資産税額に影響する点も押さえておきましょう。
4. 太陽光発電に固定資産税がかからないケース
太陽光発電設備を設置しても、固定資産税がかからないケースもあります。
2つの例を詳しく解説します。
住宅用の太陽光発電設備の場合
一般住宅用の太陽光発電設備は非課税です。
住宅用と認定される太陽光発電設備の条件は2つあります。
- 出力量10kW以下
- 余剰売電(発電した電力を自宅で消費した後、余った分を売電)
ただし住宅に設置されていても出力量が10kW以上の設備は「産業用」とみなされるため、課税対象となります。
取り外し可能な太陽光発電設備の場合
住宅用の太陽光発電設備は、一般的に屋根に専用の架台を付け設置する架台タイプです。
取り外しができ住宅と一体ではないため、家屋としても固定資産の評価対象になりません。
ただし架台タイプの太陽光発電設備でも、出力量が10kW以上になると課税されます。
また課税対象となるかどうかは、最終的に自治体の判断に委ねられています。
5. 課税されても10kW以上の太陽光発電設備を持つメリット
固定資産税を支払ってでも、10kW以上の出力量を持つ設備を導入するメリットは3つあります。
それぞれを解説します。
固定価格による買い取り期間が20年になる
電力の固定買取年数は、住宅用より産業用の方が長くなります。
- 住宅用:10年
- 産業用:20年
固定買取価格の期間中は、買取価格が比較的高めです。
産業用なら、住宅用の買取価格が下がる11年目以降も高い買取価格を維持できます。
最終的には20年間の固定価格売電が可能になるのは大きなメリットです。
設備費用の返済が終われば売電がまるまる収入になる
太陽光発電設備の設置に利用できる「ソーラーローン」の最長返済期間は15年です。
もし15年で返済を終えられれば、16年目以降は売電収入がまるまる利益となります。
産業用設備の場合は20年目まで固定買取価格が維持できるため、16年目以降も20年目までは高めの価格で売電可能です。
効率的に売電できる点もメリットでしょう。
コスパよく設置できる
太陽光発電設備は、設置規模が大きくなるほど1kWあたりの設置費用が下がります。
設置するパネルの枚数が増えても、パワーコンディショナーや送電設備などの共有設備は1つで済むためです。
パネルを増やし出力量を大きくするほど売電可能な電力量も増え、設置費用の回収スピードも上がります。
6. 太陽光発電設備に減税特例はあるか
2023年度末まで「再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置」が適用されています。
対象となるのは「再生可能エネルギー事業者支援事業費」に係る補助を受けて取得した設備で、FIT(固定買取価格制度)認定外であることが条件です。
条件を満たせば3年間は課税標準が以下のとおり軽減されます。
- 出力1,000kW以上:3/4
- 出力1,000kW未満:2/3
また特例を受ける設備は、2020年4月1日~2022年3月末までに取得している必要があります。
7. 固定資産税がかかる太陽光発電の税額を計算する方法
太陽光発電設備には、実際どのくらいの固定資産税がかかるのでしょうか。
「出力10kW・設置費用250万円」と仮定し、初年度・2年目・3年目に分けて試算してみます。
ちなみに太陽光発電設備の固定資産税率は課税評価額の1.4%で、太陽光発電設備の法定耐用年数は17年です。
※参考:減価償却資産の耐用年数等に関する省令(別表第二(機械及び装置の耐用年数表))| e-Gov法令検索
初年度の固定資産税額
固定資産の1年目の償却率は0.064です。
償却率とは法定耐用年数に応じて「1年間に資産の価値が減少する割合」です。
初年度の税額計算は次のようになります。
- 設置費用250万円×(1-0.064)=課税評価額234万円
- 課税評価額234万円×税率1.4%×2/3=固定資産税21,840円
「2/3」を乗じているのは、固定資産の取得後3年間は税額を2/3に減免する課税標準の特例があるためです。
2年目の固定資産税額
2年目以降の償却率は0.127です。
2年目以降は前年度の課税評価額に対し、償却率を乗じます。
234万円×(1-0.127)=課税評価額204万2,820円
204万2,820円×税率1.4%×2/3=固定資産税19,066円
3年目の固定資産税額
3年目の固定資産税を試算してみましょう。
3年目も償却率は0.127です。
204万2,820円×(1-0.127)=課税評価額178万3,381円
178万3,381円×税率1.4%×2/3=固定資産税16,644円
8. 太陽光発電設備の評価額が150万円を切れば課税対象外
太陽光発電設備を含む償却資産は、年数の経過とともに劣化します。
資産の劣化を考慮し、償却資産には課税標準額の下限が設けられています。
課税標準額とは税金計算のもとにする金額で、償却資産は合計が150万円を下回ったら非課税となります。
償却資産は年々、課税標準額が小さくなります。
そのため、いずれ固定資産税がかからなくなる年がやってくるということです。
9. 固定資産税の申告手続きのやり方
固定資産税は、自治体の税務事務所に申告します。
申告期限は、固定資産となる設備を取得した次の年度の1月末までです。
期限内に忘れずに申告を済ませましょう。
初年度は税務事務所から「償却資産報告書」が届きます。
必要事項を記入し、提出すれば手続きが完了します。
設備規模の縮小など減少した資産がある場合は、2年目以降に「種類別明細書(減少資産用)」に記入し提出してください。
固定資産税の納付書が届いたら、期日までに納めます。固定資産税は金額が大きくなるため、4回の分納も可能です。
10. 中国地方・山口県のマイホームへの太陽光発電設置ならタナカホームズにご相談を
中国地方や山口県で太陽光発電を搭載した家づくりをお考えなら、タナカホームズにご相談ください。
タナカホームズは高性能住宅を多数手がける、地域密着型の工務店です。
タナカホームズが年間に施工する4割以上の住宅は、太陽光発電設備の搭載が必須のZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)です。
多数のZEH施工で培ったノウハウをもとに、プロの視点で最適な太陽光発電設備をご提案します。
11. まとめ
太陽光発電設備に固定資産税がかかるかどうかは、出力量によって異なります。
出力10kW未満の住宅向けは非課税で、出力10kW以上の産業用が課税対象です。
産業用の太陽光発電設備には課税はされますが、それを上回るメリットも数多くあります。
土地や屋根にスペースがある場合は、大規模なパネル設置を検討してもよいでしょう。
また、太陽光発電設備をコスパよく、お得になるように導入するためにはプロの視点が欠かせません。
中国地方や山口県で、多数の太陽光発電設備を搭載した住宅施工を手掛けるタナカホームズの施工事例を、一度見てみてはいかがでしょうか。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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